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快適第一!!高齢猫が安全で過ごしやすい寝床の作り方を解説

猫の寿命は15年前後といわれていますが、飼育環境の向上などにより、20歳近くまで生きる猫も珍しくなくなりました。
猫も、人間同様高齢になると足腰が弱ってきて、私たちがイメージする猫らしい生活が難しくなります。
また、睡眠時間も増加して1日の大半を寝て過ごす猫も珍しくありません。
この記事では、高齢の猫が安全かつ快適に過ごせる寝床の作り方や、日常生活の注意点を紹介します。

老猫の特徴や生活サイクルを解説

猫は、11歳を過ぎると老化が目立ってきます。
猫の11歳は、人間でいうと60歳前後です。
ここでは、老猫の特徴や若い猫との生活サイクルの違いなどを紹介します。

睡眠時間の増加

猫は元々1日14~16時間ほど寝る動物ですが、高齢になると睡眠時間がさらに増加します。
15歳以上になると1日20時間近く眠る猫もいます。
つまり、1日の大半を寝床で過ごすことになるため、心地の良い寝床作りは大変重要です。

毛艶が悪くなり爪が伸びやすくなる

猫は1日に何度も毛繕いをして体を清潔に保ちます。
しかし、年を取ると体が動かしにくくなって毛繕いをする頻度が落ちます。
そのため、毛並みが悪くなったりパサついてきたりしがちです。
爪とぎも同様に若いときほど行わなくなるので、爪がすぐ伸びやすくなります。

目やにや口臭が目立つようになる

高齢になると、猫も目やにが多くなり歯に歯垢が付いて黄ばんできます。
定期的に獣医さんで歯を磨いてもらわないと、歯周病などを発症するリスクも上がってくるでしょう。

太ももが細くなった

猫は、自分の体長の5倍近い高さまでジャンプできる動物です。
後ろ足の筋力が発達しており、前足と後ろ足では太さが倍以上違います。
高齢になると身体能力が衰えて、ジャンプや疾走もできにくくなります。
そのため、筋力が落ちて後ろ足、太ももが細く見えるのです。

太りやすくなる

高齢になると、猫も運動量が落ちていきます。
シニア猫向けのフードは効率よくカロリーが取れるようになっている製品もあるため、猫によっては食べ過ぎて太ることもあるでしょう。
シニア猫の太りすぎは、関節を傷める原因にもなります。
高齢猫は栄養の補給も大切ですが、太りすぎないように飼い主が小まめに体重をチェックしてあげることも大切です。

高齢猫が安心して過ごせる寝床の作り方

高齢になるほど、猫は寝床で過ごす時間が長くなります。
15歳以上になると、餌を食べる時間と排泄する時間以外はほとんど眠っている猫もいます。
では、高齢猫が安心して心地よく過ごせる寝床とはどのようなものでしょうか?
ここでは、寝床作りのポイントや注意点を解説します。

お気に入りの寝床を使いやすく調えてあげる

どんな猫でも家にお気に入りの寝床を1~2か所持っています。
現在はシニア猫用のグッズも充実し、高齢猫でも使いやすいベッドも販売されていますが、新しいグッズを購入するより、まずはお気に入りの寝床を使いやすく調えてあげましょう。
たとえば、寝床が高い場所にあるならば、踏み台を置いてジャンプしなくても届くようにしてあげます。
また、ダンボールなど加工しやすいものを寝床にしている場合は、猫がスムーズに出入りできるように一部を切り取るなどするのもおすすめです。

新しい寝床を使ってもらうコツ

今まで使っていた寝床がかなり高い場所にあるなど猫自身が使いにくくなり、落ち着く場所を探してうろうろしている場合は、寝床を新たに準備してあげるチャンスです。
この際、猫がこれまでに使っていた寝床に敷いていたものを新しい寝床に敷いてあげましょう。
なじんだ匂いがある場所なら、猫は安心します。
飼い主の古い洋服や使っていた毛布などでも、猫にとっては落ち着くアイテムになるでしょう。
なお、人間の感覚で柔らかいもののほうが心地よさそうに思えますが、寝床の床が柔らかすぎると、猫は起ち上がったり歩きはじめたりするときに踏ん張れません。
毛布の場合は適度な大きさに切ってあげるなどして、足が沈み込むほど柔らかくならないようにしましょう。

高齢猫の寝床は飼い主の目に届きやすい場所にする

高齢になると、一見すると元気そうな猫でも病気を発症しやすくなります。
特に、15歳を過ぎると寝ている間に呼吸が止ったり、状態が急変したりすることもあります。
万が一のときに備えて、高齢猫の寝床は飼い主の目が届きやすい所に置きましょう。
ただし、猫は物陰の狭いところに落ち着く習性があります。
うるさい場所や始終人が行き来する場所ではなく、静かで落ち着ける場所にベッドを置いてあげましょう。
機会を見つけて猫に声を掛けたり撫でたりしてあげると、猫は寝床の中で撫でられることに抵抗がなくなります。
時間をかけて、猫のプライバシーを尊重しつつ猫の様子を見やすい環境を作っていきましょう。
また、猫は高齢になると体温調節が難しくなります。
夏は風が直接あたらないようにエアコンをつけ、冬は湯たんぽをベッドに下に入れてあげましょう。
そうすれば、快適に過ごせます。

トイレの失敗が多くなったらペットシーツを活用

猫は、決まった場所で排泄する習性を持ちますが、年を取ると排泄の失敗をすることも増えてきます。
寝床で失禁してしまうこともあるでしょう。
トイレの失敗が多くなったら、ペットシーツを活用しましょう。
現在のペットシーツは高品質で、尿を素早く吸収してくれます。
ただし、そのままにしておくと感染症のリスクがアップします。
猫がペットシーツを汚したら、すぐに交換できるようにしておきましょう。
また、できるだけ長く自力でトイレをしてもらうためには、適度な運動をさせて筋力を衰えさせないのと同時に、寝床の近くに複数のトイレを置くなど猫が排泄しやすい環境を作ってあげましょう。

寝たきりになったら獣医さんに相談する

20歳近くまで生きる猫が珍しくなくなった現在、寝たきりになる猫も増えています。
寝たきりになると、動物も床ずれを起します。
床ずれ防止のクッションなども販売されていますが、
まずはかかりつけの獣医さんに相談をして、一緒に対処を考えましょう。
猫は嘔吐しやすい動物なので、寝たきりになったときに嘔吐をすると窒息の危険もあります。
そのため、寝床に段差を付けてあげるなど工夫も必要です。

眠りで判断する高齢猫の体調の確認方法

猫の体調不良は、個人では見分けがつきにくいことがあります。
ここでは、高齢猫の体調を眠り方で判断するポイントを紹介します。

長時間寝ていても食欲がありトイレにもいける

前述したように、高齢になるとどうしても猫は睡眠時間が増えていきます。
「起きていることのほうが珍しい」といったことにもなりやすいでしょう。
しかし、食欲があってきちんと食事を摂り、トイレにも行けるなら問題ありません。
適度にブラッシングをしたり爪を切ったりしてあげて、体の清潔さも保ってあげましょう。

夜中に起きてうろうろする場合は認知症の可能性がある

猫は薄暮性といって、日没直後や夜明け直後に活発になる性質があります。
若い猫の場合は、この時間帯に大暴れをすることもあるでしょう。
ですから、夜中に起きて猫が歩き回ること自体も問題ありません。
ただし、長時間鳴き続けたり、うろうろし続けたりする場合は、認知機能に問題がある可能性があります。
このような状態が頻繁に続くならば、いちど動画を撮って獣医師に確認してもらいましょう。

呼吸が浅い場合は要注意

眠っている猫の呼吸回数は、1分間に20回前後といわれています。
それよりも早い場合や、呼吸がせわしない場合は何らかの感染症が疑われます。
また、心臓や肺の病気にかかっているかもしれません。
猫の呼吸が気になる場合は、丸1日観察してみて「様子がおかしい」と思ったら、早急に獣医師に相談してください。
この際、猫の呼吸している様子を動画にとってもらい、確認してもらうと診断が就きやすいです。

排泄物に異常がある場合は要注意

ペットシーツを使用している場合、普段よりは排泄物を観察しやすいです。
尿に血が混じっている、下痢が続いているという場合はできるだけ早く獣医さんに相談してください。
また、今まで問題なかったのに急に失禁が激しくなった場合も、泌尿器系や腎臓に異常がある可能性があります。

体重の減少に注意する

猫は高齢になると動かなくなるので太りやすくなると解説しました。
太りやすい猫の場合は、餌の量を調節するなどしてコントロールが必要です。
それと同じくらい、急激な体重減少には注意してください。
猫が甲状腺に関する病気を発症すると、活発になり餌もよく食べますが体重が減少していきます。
「よく寝て、良く餌も食べるけれど体重がドンドン減っていく」
という場合も、可能な限り早く獣医さんに相談してください。

高齢になる前にかかりつけの動物病院をつくっておく

猫は犬のように予防接種が義務化されていません。
健康な猫の場合、若い頃はかかりつけの動物病院を持たないこともあるでしょう。
しかし、高齢になるとどうしても病気を発症しやすくなり、健康相談などで病院を利用することも増えていきます。
猫は、8歳~11歳までが「中年」とされています。
若い頃にかかりつけの動物病院を作らなかった場合は、この時期に健康相談ができる動物病院をかかりつけにしておきましょう。
そうすれば、猫が高齢になったときも安心です。

まとめ:高齢になったら猫が使いやすい環境を整える

猫は、自分で好きな場所を見つける動物です。
飼い主が寝床を作ってあげても気にいらなければ使わず、好みの場所を自分で探します。
しかし、高齢になればどうしても体が動きにくくなり、若いときの寝床が使いにくくなることもあるでしょう。
猫の機嫌も見つつ、飼い主は使いやすく快適に過ごせる寝床を作ってあげることが重要です。

参考
https://kurashi.biglobe.ne.jp/rankings/6561/
https://nyanpedia.com/care-of-the-cat-4/
https://www.kao.co.jp/nyantomo/cat/life/category01/02/
https://www.royalcanin.com/jp/cats/health-and-wellbeing/how-should-i-care-for-my-ageing-cat#:~:text=%E7%8C%AB%E3%81%8C%E5%B9%B4%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8B,%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%82%E3%81%92%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://jp.unicharmpet.com/ja/web-magazine/e_01.html#:~:text=%E8%A2%AB%E6%AF%9B%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%AF,%E3%81%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

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