猫の食事

猫に人間の食事をあげても大丈夫?

たまに「うちの猫は甘いものが好きなのよ」という話を耳にしませんか?

猫は肉食動物ですが、人間と生活するうちに甘いものを好んで食べたがるようになる子もいるようです。

可愛いと嬉々として甘いものをあげている飼い主さんもいるようですが、大丈夫なのでしょうか。

猫は甘さを感じない

プリンやアイス、アンコなどを好む猫が多いようですが、じつは猫の舌には甘さを感じるセンサーがついていません

猫は人間のように甘いものが好きだからそれらを食べているわけではないのです。

猫がわかるのは「しょっぱい」「酸っぱい」「苦い」程度です。

もともと、猫はたんぱく質からエネルギーを得られるようにできています。糖分(炭水化物)はまったく必要ではなく、食べなくても問題はありません。

猫が甘いものに反応するのは、製造時に使用されるバターやミルク、食感や香料に惹かれているからです。

猫は、においや歯ざわりで好きか嫌いかを決めていると推測されています。

猫によっては、飼い主が食べているものなら自分も食べたいと思う子もいるようです。

食べるからといって与えてはいけない

甘いものは高カロリーであることが多く、与えてしまうと猫が肥満なりやすくなります

少量なら問題のないものもありますが、甘いものばかり好みキャットフードを食べなくなると問題です。摂取してる栄養のバランスが崩れれば、いずれ体調に問題が出てくるでしょう。

糖分を摂取すると血糖値が急激に上がりすぎるため、インスリンの分泌に問題が生じ、糖尿病になりやすくなります。

また、甘味には甘さを引き立たせるため塩がたくさん使われているものもあります。

猫は塩分を排出しにくいため身体に溜めこんでしまうので、健康によくありません。よって、強請られても甘いものは与えないほうがいいでしょう。

猫の好みは、生後3~6ヶ月までに何を食べたかで決まるとされています。

その時期までに一度も甘味を与えなければ、猫は甘いものを見ても食べ物と認識せず、興味を示さなくなります。

一度味を覚え気に入ってしまうと、あなたがおやつを食べているたびに自分も欲しいと強請るようになこともあります。

猫のためにも幼児期の食育はしっかり行いましょう。

猫にとって危険な食べ物

人間の食事の中には、甘いものを含めて猫の健康を害してしまう食品があるため、むやみにペットフード以外の食べ物を与えるのは危険です。

では、危険度別に猫に与えてはいけない食べ物を見てみましょう。

危険度 高

ネギ類

タマネギ、長ネギ、ニンニク、ニラ、らっきょう、エシャロットなどです。

ネギ類に含まれているアリルプロピルジスルファイドという成分は、猫の赤血球を破壊してしまいます。

食べると溶血性貧血となり、ときには死亡してしまうことさえあり、とても危険です。

ハンバーグなどの中にはみじん切りにされたタマネギが入っていますし、ニンニクは香りづけや隠し味のためにさまざまな料理に入れられていることが多いので、注意が必要です。

カカオ、チョコレート

カカオに含まれているデオブロミンは、猫の体内に入ると中枢神経を刺激し、体調を崩させます

急性心不全で亡くなることもあるので、絶対に与えないでください。

チョコレートはカカオ含有量が多いものほど危険となります。

不整脈、痙攣、嘔吐、下痢、呼吸困難などが起こります。

アボカド

アボカドに含まれているペルジンが中毒症状を引き起こします

下痢や嘔吐が起こり、死亡することもあります。

ペルジンはアボカドの実だけでなく、皮や種子、葉などにも含まれています。

調理のためにくり抜いたアボカドの種子をそこらへんにおいておくと、おもちゃと勘違いして猫がいたずらしてしまう可能性があるので、気をつけてください。

ぶどう、レーズン

まだ理由は解明されていませんが、ぶどうやレーズンを猫に与えると、腎機能障害や嘔吐し、ときには死亡することがあります。

原因ははっきりせずとも、与えないようにしてください。

危険度 中

カフェイン

人間が飲むと眠気が消えてすっきりするカフェインですが、猫が飲むには強力すぎます。

神経異常を引き起こすため与えないでください。

体重1kgあたり150mg以上カフェインを摂ると、死亡してしまいます

アルコール

猫の身体はアルコールを分解できません

下痢、嘔吐、昏睡、内臓の機能障害などが起こるため、飲ませないようにしましょう。

生の豚肉

加熱していない豚肉にはトキソプラズマという寄生虫が潜んでいることがあります。

寄生されると下痢や目の障害などが起こります。

猫の排泄物の処理などから人にも感染するので、絶対に加熱していない豚肉は与えないようにしましょう。

サザエ、アワビ

昔から「猫がアワビを食べると耳が落ちる」と言われてきました。

アワビやサザエに含まれているフェオファーバイドという物質は、光線過敏症を引き起こします

皮膚の薄い耳に症状が出やすく、最悪の場合壊死してしまうことあるのです。

危険度 低

生卵

生卵に含まれているアビジンは、ビタミンBの一種であるビオチンを分解してしまいます。

一度に大量に食べると皮膚炎や結膜炎になることがあるので、与えるときは必ず加熱してからにしましょう。

青魚(アジ、サバ、イワシ)

たくさん食べすぎると、体内の脂肪が酸化して黄色脂肪症となり、身体にしこりができます。

食べ過ぎなければ青魚は猫の身体にいい食材ですので、与える量には気を配りましょう

イカ、タコ

消化に悪いため、食べすぎると消化不良を起こします。また、生のイカの内臓はビタミンB1を分解する酵素が含まれているため危険です。

歩行困難を起こしたり、てんかん発作を起こすことがあります。

-猫の食事