最近では、猫を飼うなら避妊手術や去勢手術を受けさせることが当然となってきましたが、もとある機能を人間の都合で失わせるなんて可哀想だという人もいます。
まずは、手術をするメリット、デメリットをきちんと理解しましょう。
避妊、去勢手術を受けるメリット
1.スプレーを防げる
オス猫は、生後6ヶ月以上になるとマーキングのために、あちこちにオシッコをスプレーしはじめます。縄張りを主張するためのものなので、強烈に臭い、拭いてもなかなか消えません。
去勢手術を行うと、90%ほどの確立でスプレーをなくすことができます。
2.病気を未然に防げる
避妊手術を行うと、オス猫の場合は精巣脳腫・前立腺肥大、メス猫の場合は卵巣蓄膿症・子宮内膜炎・乳腺腫瘍などの病気にかかるリスクを減らすことができます。
また、性衝動がなくなるので、オス同士の喧嘩が減り、それによってネコ免疫不全ウイルス感染症やネコ白血病ウイルス感染症など、唾液や血によって感染してしまう病気にかかるリスクも減らすことができます。
3.ストレスを減らせる
メス猫は発情期になると、性的な欲求不満でストレスを溜め込みます。しかし手術してしまえば、性衝動が起こらないため、ストレスを抱えることなく穏やかに暮らすことができます。
発情期特有の大きな鳴き声も、避妊手術をするとしなくなります。
4.望まない妊娠を防げる
メス猫は1年に2~3回発情期があり、妊娠期間は2ヶ月です。一度の出産で3~6匹ほどの子供を産みます。
ということは、避妊・去勢手術を受けさせていないオス猫とメス猫を飼っている家庭では、1年間に6~18匹の子猫が誕生するということです。
もちろん生まれた猫も成長しますから、手術をしなければ、その子猫たちも子供を産むようになります。
このように、手術をせずに無計画に飼っていると、ネズミ算式に猫は増えていくのです。
生まれてきたすべての猫をきちんと幸せにできないのなら、やはり手術は受けさせたほうがいいでしょう。
避妊、去勢手術を受けるデメリット
1.肥満になりやすくなる
避妊・去勢手術を行うと、どうしてもホルモンバランスが乱れて、オス猫もメス猫も太りやすい体質になります。
あまりに太りすぎると、糖尿病など病気になってしまうので、きちんと食事の管理をしてあげる必要があります。
最近では、各社から避妊、去勢手術を受けた猫用のキャットフードも市販されています。それらをうまく使い、たくさん運動させて、肥満を防止しましょう。
2.一度行えば、二度と繁殖できなくなる
メス猫の場合は卵巣と子宮の摘出、オス猫の場合は精巣の摘出手術を行います。そのため子供を産ませたくなっても、一度手術を行ってしまうと繁殖させることはできません。
どうしても繁殖させたいのなら、一度出産させてから、手術を行うといいでしょう。
このように、避妊・去勢手術にはメリットのほうがたくさんあります。とはいえ、猫のために用意できる環境や対応は、人によって変わってきます。
ペットの繁殖をきちんとコントロールしてやることは、飼い主の勤めです。もちろん、生まれてくる子猫の面倒をすべて見れるのであれば、出産させる選択も間違いではありません。
メリット、デメリットをきちんと理解した上で、自分と猫が幸せになれる選択をしてください。