完全室内飼いのはずなのに、猫の姿が見当たらない!そんな経験をしたことがある人も多いはず。慌てて探し回ったら、思わぬ隙間や狭い場所にすっぽりはまっていた、なんてオチもよく耳にします。
猫はどうしてこんなに狭い場所が好きなのでしょうか。
1.祖先から受け継いだ習性
猫の祖先は砂漠で生活していました。草原や森と違い、砂漠では身を隠してくれるものがあまりありません。そのまま外にいれば、格好の標的となってしまいます。
よって猫の祖先は外敵から身を隠すため、穴や岩の間など狭い場所に入り込んでいました。
その習性がいまも残っているので、狭い場所に入り込むと安心するのです。
2.獲物が潜んでいいると思っている
ネズミやウサギなど小動物は巣穴を作り、その中で生活をしています。それらを取って食べていた猫は、いまだに狭い穴を見ると獲物がいるかもと期待してしまうようです。
筒状のダンボールや紙袋などに勢いよく飛び込んでいく猫は、獲物を捕らえるつもりでそんな行動をしていることがあります。
猫じゃらしやおもちゃを、そういった穴や隙間から出して誘うと、猫は喜んで食いついてきますよ。
3.自分だけのスペースが欲しいから
自分だけの場所でゆっくりしたいという気持ちは猫にもあるようです。元々猫は自分の縄張りの中で単独で生活する生き物。
人が大好きでべったりな猫でも、ときには自分だけの時間が欲しいようです。
狭い場所でまったりしている猫を見かけたら、あまりかまわないほうがいいでしょう。
隠れ家を用意してあげよう
オランダの大学が2014年に保護されていた猫を使いある実験を行いました。
結果、狭く隠れられるスペースを与えたほうが、猫のストレスが軽減し、早く環境に慣れることができるということがわかったのです。
自分だけの安全な場所があると、心を落ち着け情報を整理することができるため、適応が早くなるようです。
どうせ飼うならいつも猫を見られるようにしたいなと思うかもしれませんが、それでは猫の心は休まりません。
心の疲れは、やがて身体へも影響します。よって、猫を飼うなら、各部屋に隠れられる場所を作ってあげるといいでしょう。
お金をかけなくとも、出入り口を作ったダンボール箱を置いたり、狭い隙間にタオルを敷くだけでも十分です。猫にはそれぞれ好みがあるので、いくつか試し、気に入る隠れ家を作ってあげましょう。
けれど、この狭い場所を好む習性は、ときに事故を起こす原因となることがあります。
テレビ台や家具の裏側に入り込みコードをかじって感電事故を起こしたり、気づかずにタンスや押入れに閉じ込めてしまい熱中症になる事例が報告されています。
よって、猫が入り込みそうな危険な場所はあらかじめ入れないように塞いでしまったほうがいいでしょう。
タンスや押入れなどは使ったらきっちり最後まで締めることを習慣づけてください。