以前は外で放し飼いにされていることが多かった猫。けれど、最近ではそういった猫をあまり見かけなくなりました。
猫を飼うなら、外飼いと室内飼いのどちらがいいのでしょうか。
外飼いにはデメリットがいっぱい
猫を外飼いしなくなったのには理由があります。現代の環境では、外飼いにはたくさんのデメリットがあるのです。
1.事故に会う可能性が高い
現代は多くの人がマイカーを持ち、仕事でも車を使うことが増えました。車の交通量は確実に増えています。
道路で車と接触してしまい死亡してしまった猫の躯を見かけたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
どんなに頭がいい猫でも、交通ルールは理解できません。
交通事故を未然に防ぐには、猫を外へ出さないようにするしかないのです。
また、高い木や屋根に登って転落したり、首輪が何かに引っかかり首をつってしまうなど、外にはほかの事故に会う危険もあります。
2.病気にかかる可能性高い
外の世界には、恐ろしい病気の原因となるものがウヨウヨしています。ダニやノミから感染するものや、他の猫との接触で感染するものなど経路は様々です。
事前にワクチンを摂取させることで予防できる病気もありますが、残念ながらそのワクチンも100%病気を防いでくれるものではありません。
中には一度かかると治療法がなく、やがて死に至る恐ろしい病気もあります。
3.誰かに害される可能性がある
すべての人間が猫を好きなわけではありません。中には害獣として駆除しようとしてくる人や、イタズラしてやろうという人もいるのです。
野良猫の駆除のために置かれた毒餌や罠は、飼い猫だからといって避けられるものではありません。
また、近年では悪意をもって猫を害そうという人が増えたため、ペットの保護団体では譲渡に厳しい規則を設けているところも珍しくなくなりました。
4.有害なものに触れる機会が多い
猫が食べると有害なものはとても多いです。ところが、猫はそれらに気づかずに食べてしまうことがよくあります。
とくに人の手によって加工されていると気づきにくいようです。外をうろつき残飯などを漁っていると、匂いにつられてつい食べてしまうということがあります。
畑や庭で農薬や除草剤などを使用していたり、何かを洗った洗剤をそのまま垂れ流しているところも珍しくありません。
猫は縄張りを主張するために身体をあちこちに擦りつけたり、身体を舐めてキレイにする習性があるため、それらの有害物質を身体の中に取り込んでしまう機会も多いのです。
以上の理由から、外飼いの猫は室内飼いの猫よりもずっと寿命が短いとされています。
室内飼いでも猫はストレスにならない
たまに室内飼いは狭くて可哀想という意見も耳にします。けれど、室内飼いの猫は長寿になりやすいことからもわかるとおり、慣れてしまえばストレスにはならないのです。
猫は自分が決めた縄張りの中で生活をします。子供の頃から室内だけで飼い続けると、猫のテリトリーは家の中だけになり、わざわざ外に行きたがりません。
運動不足が心配なら、たくさん上り下りして動けるよう、家具の配置を換えてみたり、キャットタワーを設置するといいでしょう。
このように現代の日本では、猫のことを考えるなら室内飼いをしたほうが良いようです。住宅密集地で外飼いをすると、糞尿やマーキングのせいでご近所トラブルの元になってしまうこともあります。
迷ったら、まずは自分が住んでいる環境では外飼いが可能なのか考えてみましょう。
室内飼いでも不妊・去勢手術はしたほうがよい?
子供を産む予定もないし、間違えてできる可能性がない―――。
完全室内飼いの猫なら不妊・去勢手術はしなくても良いと思っている飼い主は多いのではないでしょうか?
ですが発情期の猫を見ることは、飼い主としても案外と心苦しく感じるものです。
室外猫は不妊・去勢手術の必要性大
しっかりとした管理の下で猫を飼うことは、飼い主として最大の条件ですね。
子を産ませる予定のない猫をむやみやたらに外に出してしまったら、外で繁殖活動をしてしまい際限なく増えてしまうでしょう。
もし飼っている猫がメスだったら、子猫の貰い手に苦労するかもしれません。オスだったら、野良猫を増やしてしまいます。
野生の動物は、バースコントロール(産児制限)することはできますが、ペットとして飼われている猫はそれができないので人間が行わなくてはいけません。
室内猫も不妊・去勢手術をするのが基本
大人になって発情期を迎えた猫は、交尾する異性を探し求めます。ですがそれを強制的にさせない環境では、猫にとって辛いものとなるでしょう。
不妊・去勢手術をすることによって、発情することは無くなります。
また早い段階で手術を行うと、子猫時代の楽しい感情を持ったまま暮らすことができるといわれています。
このような意味でも、早い段階で手術をしたほうが良いでしょう。
発情期について
メス猫とオス猫での発情パターンには、はっきりとした違いがみられます。
オス猫の場合
オス猫には発情期というものはありません。メス猫が発情すると。その匂いに導かれて発情します。
ですので、1年中交尾することが可能なのです。生後8~10ヶ月程度で生殖器が成り立ちますから、外猫は十分に注意する必要があるでしょう。
オス猫が発情したら、次のような行動パターンがみられます。
- 攻撃性が増す
- 放浪癖が出る
- 大きな声で鳴く
メス猫の場合
メス猫は、受精可能な卵子が卵巣に作られると発情開始です。
受精が行われないと卵子は衰退し、次の卵子が準備されるのですが、衰退するまでの期間は発情の波が何度が訪れます。この波が発情シーズンと考えられ、いつもとは違う行動が見られます。
発情シーズンは、卵子が衰退するまでに数度繰り返され、卵子が作られてから数度のシーズンと、全て合わせて1セットと考えます。そしてこの1セットが個体差によって違いますが、1年を通して数回訪れます。
発情シーズンには、次のような行動パターンがみられます。
- そわそわして落ち着かなくなる。
- 何度もかん高い声で鳴く。
- 床や物などに、クネクネと体をすりつける。
- シッポの付け根を触ると、お尻を高く持ち上げる。
判断に困った時には獣医師に相談を
オス猫・メス猫どちらにしても、発情するということは大人になった証拠ですよね。人間でも動物であっても、その成長ぶりを見ることは嬉しいものです。
野生動物ならば、その時点で生殖活動を始めるのですが、ペットとして飼っている以上は、自然の道理に沿うわけにはいきません。
大きな声で鳴く行為は、見ている飼い主としても切なく感じたりするでしょう。そこら辺に尿を振りまかれたら正直大変ですね。
もしも判断に迷う際には、獣医師にも相談してください。どの方法が良いのか考えた上で、適切な対処をしてあげましょう。