猫との暮らし方 猫の睡眠

猫に寝床やベッドが必要?猫ベッド選びと設置場所まとめ

ベッド選び

スヤスヤ気持ちよさそうに寝ている猫は眺めているだけで癒やされますよね。でも、よく見ると寝ているのはフローリングの床だったり、人間用の椅子だったりします。

「猫を飼うなら、寝床や猫ベッドは用意すべきなのでしょうか?」って飼主さんの疑問にお答えするにゃ♪

猫の名前の由来は「よく寝るから」

猫は一日に14時間も寝ていると言われています。猫の語源は「寝子」であるという説があるくらい、猫はよく寝る子なのです。

それだけ寝ている時間が多いのですから、飼い主としてはしっかり寝られる寝床を確保してあげたいと思いますよね。

しかし猫は好みにうるさく、ほとんどの場合人間が思ったようには動いてくれません。高価な猫ベッドを買い与えても、それが入っていた梱包用ダンボールのほうを好む……なんて話をよく耳にするくらいです。

とはいえ、猫に寝床を用意してあげるのは悪いことではありません。落ち着く寝床を確保して質の高い睡眠をとっていれば、健康の維持にもなります。

では、どのような寝床を用意すれば猫に気に入ってもらえるのでしょうか?

猫の寝床の場所

猫は一日のうちの3分の2も寝て過ごしていますが、いつも同じ場所で寝ているわけではありません。

猫は快適な場所を探す名人で、そのときの気温や気候、気分によって寝る場所を変えています。

猫ベッドを設置するなら猫の行動をよく観察して、猫が好みやすそうな場所にするといいでしょう。狭い場所、暗い場所、高い場所が好きな子が多いです。

一般的には季節や気温、時間帯によって寝ている場所をわけているケースが目立ちます。日の出た時間は日光浴ができる場所で、夜になるとお気に入りのベッド……といった感じになります。

季節と時間帯でみる猫の寝床

以下に猫の寝床の一例をあげました。住居環境や猫の好みによりことなりますので、まずはあなたの家の猫ちゃんの、一日のサイクルをチェックしてみてください。

夏 ~日なたぼっこをしたがる一方で、日差しが強すぎると日陰に行く傾向に

エアコンは好き嫌いが激しく、エアコンの付いていない部屋を好む猫もいるので、体調管理に気を付けてあげましょう。

窓側、日陰、風通しの良い所
いつもの寝床(猫ベッド)、適温なところ

冬 ~窓側は寒いので避けたがり、暖かい場所を好む傾向に

寒暖差の激しい地域では暖房器具にべったりな猫も。猫ベッドの中に小さめの湯たんぽを入れると快適になり、ベッドから出てこないこともあります。床暖やホットカーペットなら床でごろんと寝転がることもあり、ペットサイズの小さなものなら電気代も安くすみます。

こたつの中、ストーブの前、床暖の上
稼働中の暖房器具の近く、いつもの寝床(湯たんぽがオススメ)

春、秋 ~寒暖差の少ない時期はこのような場所に

  • フローリング、じゅうたん、タイルの上
  • お風呂場
  • 廊下
  • 日陰
  • 風通りの良い場所
  • ひなたぼっこができる場所
  • 飼い主のベッドやお布団
  • 飼い主の膝の上
  • 飼い主の座っている足元
  • ダンボールや箱の中
  • 猫ベッド、猫ハウスの中
  • 人間用ベッドの下など暗い所
  • ケージの中
  • ひざ掛け、毛布、クッションの上や中
  • カーテンの中
  • ソファーや椅子の上
  • テーブルや棚、冷蔵庫、炊飯器の上

猫がいつもと違う寝床で寝ているときは注意!

普段あまり寝ていないような場所で寝ているのを見つけたときは、少し気を付けてみてみましょう。いつも寝ている場所に何らかの問題がある可能性があります。

にゃーにゃ―とないて教えてくれることもありますが、そうではないときもあるので、以下の例を参考に思い当たることがないか確認してみてください。

寝床を汚してしまった~吐いた、粗相をしたなど

お気に入りの場所を汚してしまって、寝られなくなっている可能性があります。すぐに片付け、掃除、洗濯等をしてあげましょう。

うんちやおしっこを寝床で頻繁にしてしまう場合は、本来の排泄場所ではない不適切な場所となるため、ストレスやなわばりの主張、疾患が原因の可能性もあるにゃ。

思い当たることはないか考えつつ、かかりつけの獣医師に相談をしてくださいにゃー!

ほかの猫に寝床を取られた ~多頭飼いでは日常茶飯事かも?!

ケガをするほどの大ケンカにならないよう気を付けつつ、猫たちがストレスにならないよう近くに条件の似たベッドを用意しておいてあげましょう。

ベッドがひっくり返っている ~寝れない状態に…

爪が引っかかったり、ケンカをしたりしてベッドが寝られる状態にない場合もあります。見つけたら直してあげましょう。

寝床がない ~適温でない可能性あり

暖房器具のスイッチが入っていなかったり、お気に入りの毛布が洗濯されていていつもの場所になかったりなど「いつもと様子が違う」ことで猫が別のところで寝ていることがあります。可能な範囲でいつもの環境を用意してあげましょう。

体調的な問題 ~安全な場所にじっとしている傾向に…

野生では弱っているところが他の動物にみつかることで、襲われる危険があるためです。普段あまり行かないような場所(高いところ、暗いところなど)で寝ているときは特に気を付けてあげてください。

猫ベッドは何個必要か?

猫のベッドは、夏なら涼しい日陰や風通しがいい場所、冬なら暖かい日差しが入る場所などへの設置がオススメですが、一日のうちに何度も寝場所を変える猫にあわせてベッドを設置しようと考えると、複数個置くことになってしまい少々面倒に。

さらに多頭飼いであれば費用や掃除の手間も増えてしまいます。

寝場所ごとにベッドがあるのは理想的ですが、難しい場合は一番長く寝ている場所(夜寝る場所)を基本として人間同様に、1匹に1個で設置するといいでしょう。

汚したときのことを考え、予備も最低1個はあると安心です。

お昼寝の時間などに、人間用の毛布を使われて困るという場合は、猫用クッションや猫用毛布を用意しておくと便利です。ペット用品店で売っているものや、人間用ので使っていないもの、子供用のを利用してもいいでしょう。

猫の寝床の選び方「オススメの素材や形」

猫ベッドの材質は猫によって好みがバラバラです。一般的にはやわらかい素材のものが好まれ、猫によってはお気に入りの柔らかい寝床で、愛らしいふみふみのしぐさをみせてくれることもあります。

しかしこれはあくまで一例で「これなら確実に寝てくれる」と言い切れる素材はありません。

まずは愛猫の様子を観察し、どのような場所で寝ているかをチェック!そのうえで寝床となっている場所に似た材質のものを選んでくださいにゃ♪

清潔なものが好きなので、掃除がしやすいもののほうがいいでしょう。枕になるような段差があると喜びます

最近はかまくらのようなドーム型、猫ちぐらなどの猫ベッドが人気です。夏向けの涼しげな材質なもの(かごベッドなど)、木製のもの、もこもこしたものなども人気で種類も豊富です。サイズもいろいろあるため、大きすぎず小さすぎないものを選んであげましょう。

猫用にこだわらず、犬猫ベッド、犬ベッド、小動物用、人間用のを愛猫用のベッドに利用するのもOKです。家で余っているものがあればそれを利用して、サイズ調整などに毛布やタオルなどを使ってみましょう。

猫ベッドは買うor作る?

猫のベッドの入手方法は大きく分けてふたつ。買うか作るかになります。

amazon、楽天、Yahoo!といった大手通販ショップで購入

通販の場合は人気のものやその年の流行、オススメなどがわかりやすくお気に入りのものが見つけやすい傾向にあります。安いものや高いものも見つけられるので、掘り出し物や珍しいものに巡り合えることも。

ただし、実際に見て購入するわけではないので、愛猫が気に入る材質や形状かどうかを確認しつつ、サイズが合っているかも慎重に。せっかく高級なものを買ったのに、ダンボールのほうがお気に入り……なんて失敗がないように気を付けましょう。

IKEA、ニトリ、100均といった大型のショップで直接購入

ブロガーやインスタで見かけたかわいい猫ベッド、ドーム型猫ベッド、マカロン猫ベッドなど、飼い主が思わずほしくなる「かわいいベッド」が多数あります。

値段も手ごろなものが多く、全国的に同じものが手に入りやすいのが特徴。

100均のものだけでは少し物足りないと感じたら、自分で少し手を加えて使うのもオススメです。

猫ベッドを自作する、作ってもらう

お気に入りの材質、柄、サイズなど、すべて飼い主と愛猫の好みに合わせて作れるメリットがあります。手作りだと布と綿を組み合わせた、猫にジャストサイズの円形のものが人気です。

ちなみに毛布をのり巻きのようにまるめて、両端をつなげるように置けば簡単に猫用の円形お布団が作れます。底部分は丸めるときに少し布を残しておくか、別のものを組み合わせてもOK。家に毛布が余っているときはぜひ作ってみてください。

布状の場合は洗濯できるようにしておくといいでしょう。洗い替えがあると汚してしまったときに安心です。

外猫用の寝床の作り方

野良猫、外猫、地域猫、飼い主のいない猫など、何らかの事情により外を拠点としている猫向けの寝床を用意したい場合もあるでしょう。この場合は雨風雪がしのげて、丈夫で温かいものがオススメです。基本は冬に外で寝ることを想定した寒さ対策を行いましょう。

外猫ハウスは費用をおさえるため、お金をかけずに作るのが基本になります。

一番安上がりなのはダンボールに出入り口用の穴をあけて、ビニールで防水加工したダンボールハウス。梱包用の発泡スチロールケースを使う方法もあります。

利用していない衣装ケースや犬小屋、工具箱、屋根付き猫トイレ、キャリーケースなどを加工したり、DIYで簡単なハウスを作ってあげたりするのもいいでしょう。

寒さ対策用にアルミシートやクッションマット、使っていない布や毛布を入れるとなお快適になります。作り方はネットで検索すると関連サイトや画像がたくさんでてきますから、ぜひよさそうなものを探して参考にしてみてください。

外で暮らしている猫たちは警戒心が強いため、はじめはなかなか使ってくれないかもしれないにゃ。中にキャットフードを置くなどして上手に誘ってみてくださいにゃ♪

外猫飼いにはご注意!

注意すべき点として、外で暮らしている猫の場合は、ご飯や寝床の用意ができても、トイレは知らないところで済ませているということが多いものです。ご近所トラブルにならないためにも、できれば保護猫としてむかえ入れるか、外猫用のトイレを設置するなどの対策を。

難しいようなら、やむを得ず外飼いであることを周辺にも理解してもらうといいでしょう。

猫の寝床を新規に設置or場所を変えたいときは?

新たに猫をむかえたときや、猫の寝床の位置を変えたいときもあるでしょう。

いつもと環境が違うことでなかなか最初はうまくいかないかもしれませんが、猫へのストレスを最小限におさえつつ、飼い主は時間をかけてじっくりと待ってあげることで、猫も少しずつ新しい寝床の位置に慣れてくれます。

ポイントは「焦らないこと」。最初は全く入らなくても、たまに入ってくれるようになり、そのうちそこが気にってくれるようになりますから、猫のペースに合わせてあげましょう。

新規に猫の寝床をもうけたい場合

新しくむかえた猫は環境になじむまで暗い所や狭いところに隠れることがあります。最初からベッドで寝るのは難しいので、住まいにある程度慣れてから、よく好んで寝ている場所に設置してみましょう。

しつけとしてペットケージに猫ベッドを設置したい場合は、新しく猫をむかえたときの方がやりやすいです。

猫の寝場所を変えたい場合

猫の寝場所を変えることは猫のおすすめの場所を奪ってしまうことになりあまりオススメはできませんが、引っ越し等でやむを得ずというケースは多いものです。

その場合は今まで以上に快適な環境を用意してあげましょう。

新しい環境で、愛猫が好みそうな場所に猫ベッドを設置します。環境が変わっても今まで使っていたベッドがあれば安心して寝てくれるでしょう。

ベッドがない場合も猫のニオイの付いた布などを置いておくことで、環境になじみやすくなります。

ベッドに入らない!?猫ベッドを使わせる3つのコツを紹介

飼い主の気持ちに反して、なかなか猫ベッドを使ってくれないことはよくあります。しつけを優先するあまり強引にでもそこで寝てもらおうと、抱きかかえてベッドに連れて行ったとしてもすぐに出てきてしまい、そのうちその一連の流れを嫌がり、ベッド嫌いになってしまうこともあります。

以下に3つのコツを紹介しましたので、なかなか猫ベッドを使ってくれないという場合は試してみてくださいにゃ。

どこに置く?猫ベッド設置のポイント

寒暖差の少ない季節や地域では、猫の寝床の場所で紹介した場所以外にも、一定のお気に入りの場所で寝ていることが多いです。

場所は猫なりのこだわりがあるようで「日中はソファーだけど夜は飼い主のベッド」「お気に入りダンボール以外は嫌」など、個性豊かです。これらはなわばり的な意味合いもあり、多頭飼いであっても基本的にはそれぞれ決まった場所で寝ています。

猫ベッドの設置は、猫の個性を見極め、一番長く寝場所としているところに用意してみるといいでしょう。

ただ、飼い主の布団やこたつの中の場合、ベッド設置が困難です。この場合は人間が生活するにあたって影響を受けづらい位置(布団の足元や枕の横、こたつのすみの方)に置いて、様子を見ましょう。

猫ベッドに愛猫が安心するニオイを付けてあげる

新品の猫ベッドは猫にとって未知の物体。ニオイをクンクン嗅いで、恐る恐るのぞきこんだり、乗ってみたりすることでしょう。

そのためまずは、新品のベッドが安心できる場所であることがすぐにわかってもらえるように「愛猫のニオイの付いたもの」を置いてみてください。

よく使うおもちゃや、普段愛猫が下に敷いて寝ている毛布などがオススメ。マタタビやキャットニップ、猫おやつでもいいでしょう。こうすることで、新品のベッドにもすぐになじみやすくなります。

季節に合わせた素材の猫ベッドを用意

一般的に柔らかい素材のものを好む猫ですが、真夏の暑い時期にモコモコの風通しの悪いドーム状のベッドではやはり暑苦しいもの。逆に冬に涼しげな材質では寒さのあまり使いたくなくなってしまいます。

人間も夏布団、冬布団という風に季節に応じて寝具は変えていますので、愛猫も同様に季節による変化をつけてあげるといいでしょう。

ちなみに猫はもともと砂漠で暮らしていた生き物のため、寒さはちょっと苦手です。人間が「ちょっと寒いかな」と感じるより前に、暖かくしてあげるといいでしょう。仔猫や高齢猫・老齢猫は特に温度管理に気を付けてください。

猫用の寝床やベッドのまとめ

猫ちゃんにとって寝ることは、とっても大切なこと。だからこそ寝心地のよいベッドを用意してあげたいですね。

  • 猫の語源の由来は「寝子」という説があるほど、よく寝る
  • 猫は快適な場合を見つけ、いろいろな所で寝る
  • 猫ベッドはなくても良いが、できれば猫1匹に1個程度用意してあげる
  • 猫ベッドは柔らかいものがオススメ。通販ショップやインテリアショップでの購入のほか、自作もあり
  • 猫の寝床を新たに設置したり移設したりする場合は、猫の性格に合わせ、気に入りそうな場所に置く。今まで使っていたベッドを使ったり、従来の環境に近づけたりするのもよし
  • 猫がベッドを使ってくれない場合、普段寝ているところに置いてみる、猫のニオイの付いたものを乗せてみる、季節に合わせた素材にしてみる、等を試してみる

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