猫との暮らし方

上手にあげてストレス解消☆マタタビやニットキャップの魅力

猫が大好きなマタタビ。まるでお酒を飲んで酩酊したようにクタクタになる姿は愛らしく、ついついあげたくなる飼い主も多いでしょう。

でも、どうして猫はマタタビに酔ってしまうのでしょうか。

マタタビで酔う仕組み

マタタビとは木天蓼(もくてんりょう)とも呼ばれる、マタタビ科マタタビ属のつる性木本です。

世界では極東地域にしかない珍しい植物ですが、日本では北海道から九州にまで自生しています。初夏に梅のような白い花を咲かせます。

猫の口の奥にはフェロモンを感知するヤコブソン器官という場所があります。

マタタビに含まれている「マタタビラクトン」「アクチニジン」「βフェニルエチルアルコール」という成分は猫の性フェロモンと似ているためヤコブソン器官を刺激し、それによって脳の中枢神経が麻痺を起こすので酒に酔ったような行動をするようになるのです。

キウイの木、キャットニップ、キャットハッカなどもマタタビと同じように猫を酔わせる効果があります。

マタタビが自生しておらず手に入りにくい欧米では、キャットニップをかわりに使うことが多いようです。

近年ではキャットニップの苗や、乾燥した葉を中に入れたおもちゃなども手に入れやすくなっています。

効果には個体差がある

酒の酔い方は人それぞれであるように、マタタビを与えたときの様子は猫によって異なります。

グデグデに酔っ払ったようにふらふらになる子もいれば、おとなしくひたすら舐めまわる子もいます。

まずは自分が飼っている猫はどんな状態になるか少量で試してみるといいでしょう。効果は20~30分くらい継続します。

マタタビは性ホルモンと似ていることからもわかるとおり、お酒というよりも媚薬のようなものです。

よって、性的に興奮しにくい子猫や妊娠中のメス猫、去勢済みのオス猫などには効果が出にくいです。

一般的に葉、枝、実、液体、粉末の順に効果が強くなります。

与える量には注意が必要

猫が喜んでいるからと、無闇にマタタビを与えすぎると、猫の身体を害することがあります。

マタタビは脳の中枢神経を刺激し麻痺させるものです。麻痺が深刻なものとなると、意識を失ったり、呼吸困難に陥ることがあります。

安全にマタタビを与えたいなら、一度に与える量は5g程度にしましょう。小分けされているマタタビは、ほとんどが5g以下となっています。

分けられていないマタタビを使用する場合は、一度5gがどれくらいの量なのか測って理解してから与えるといいでしょう。

高齢猫や虚弱な猫の場合は、マタタビの刺激についていけず身体に負担がかかることがあります。

マタタビは嗜好品であり、必ず与えなくてはいけないものではありません。健康を第一に考えてください。

どうしても与えたいときは極少量だけ与え、酔いがさめるまで目を離さないようにしましょう。

キャットニップの魅力

先程も書いたように、マタタビは極東地域にしか自生していません。アメリカやヨーロッパでは、マタタビと同じような効果を持つキャトニップという植物が使用されています。

キャトニップは別名イヌハッカと呼ばれている、シソ科の多年草です。マタタビと同様の成分が含まれているため、キャットニップのにおいを嗅ぐと猫は酩酊したような状態になります。

最近では、乾燥したキャットニップの葉が、猫のオモチャの中に入れられていることが多いです。

マタタビはつる性の樹木なのでなかなか庭で育てることはできませんが、キャットニップは気軽に家で育てることができます。

種や苗はハーブ専門店や大きな園芸店で購入することができ、葉はサラダやハーブティとして人間が楽しむこともできます。

園芸が趣味の方は、飼い猫のためにも育ててみてはいかがでしょうか。キャットニップは繁殖力が強く、初心者でも育てやすい植物です。

まだあるマタタビと似た効果の植物

キャットニップよりも効果は薄いですが、キャットミントという植物も猫を酩酊させることができます。この植物もイヌハッカ属のシソ科の多年草です。

サルナシはマタタビ科マタタビ属のつる性植物であるため、マタタビとよく似た効果を発揮します。しかし、マタタビ同様家庭で育てるのはとても難しいです。

また、同じマタタビ科マタタビ属にはキウイがあります。

別名オニマタタビと呼ばれていることからもわかるとおり、キウイにもマタタビのように猫を酩酊させる作用があります。

あげる量には注意が必要

マタタビやキャットニップは猫をリラックスさせストレスの解消に役立ちます。しつけやご褒美としても使える優れものです。しかし、これらは脳の神経を直接刺激し麻痺させていることを忘れてはいけません。

喜ぶだろうと大量に与えたところ、呼吸が上手くできなくなり死んでしまったという報告があがっています。

また、弱っている猫や老猫には効果が強すぎるようです。健康な成猫の場合も、一度に1g以上はあげないようにして、常用はなるべく避けましょう。

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